アスペルガーを生きる。時に笑い、時に泣き。

アスペルガー当事者として、日々のこと、障がいのことを綴ります。

できないことは、そのまま。できることをもっと伸ばす。

おはようございます。
sflowerです。

普通の人になる!

私は23歳のとき、自分がアスペルガー症候群であることを知ってから、なかなか障がいを受け入れられずにいました。

24歳の時に地元の島根に帰ってから、約1年間長期の仕事に就けませんでした。
「好きな仕事をする」なんて夢物語で、とにかく自分ができそうな仕事を探しました。

「私、普通の人になる!何でも人並みにできるようになる!そうすれば、障がいのことを気にせずに生きていけるんだ!」

そう決心して、それから私は電話で話すのが苦手なのにコールセンターで働いたり、人と直接話すのも苦手なのにパン屋さんの接客などを経験してきました。
当然、うまくいくはずもありませんでした。
両方とも、1年もちませんでした。
それ以外にも、朝5時からサンドイッチの製造をしたり、クリーニング店でクリーニング業務をしたりしてきました。

人とうまくコミュニケーションが取れなかったり、精神的に体調を崩して休んだりしていた私は職場のお荷物になっていたと思います。
いじめにも遭いました。
また、最初のうちは優しかったのに次第に態度を変えられて理不尽な扱いを受けました。

普通の人にはなれない?

「やっぱり、わたしは人から冷たくされる運命なんだ・・・」

普通の人になろうとしても、全然うまくいかない。
人に迷惑をかけるだけ。
障がいを受け入れてもいないから、どういう所で迷惑をかけているのかも分からない。
会社の人が悪い、私は被害者!
当時の私は、かなりすさんでいました。
普通の人になんてなれないよ・・・

クリーニング店をいじめが原因で退職しようと決めた時、母が見かねて言いました。
障がい者雇用で探したら?」

それは、母からの「障がいを受け入れた方が楽だよ」という私へのメッセージだったように思います。

できないことを無理にするより、できること、好きなことを伸ばそう。

それから、障がい者雇用で働き出し、その会社には4年間在籍しました。
その会社は特に知的障がい、精神障がいの方が多かったのですが、優しくて自分の障がいを受け入れていました。

私も障がいのある方と関わっていく中で、少しずつ「このままの自分でいいのかな」と思えるようになってきました。

そして、ある日見たテレビ番組で、私は目が覚めました。
その番組には、当時高校生だった全盲の女の子が出演していました。
目が見えないのに水泳やピアノもする、活発な女の子でした。
彼女はこう言っていました。
「他の人にも苦手なことがあるように、私は『見ることが苦手』と考えています」

私の苦手なこと・・・
電話で話すこと、人と話すこと、臨機応変に対応すること・・・
それなのに、私はコールセンター、接客、介護の仕事をしてきた。
苦手なことを無理してできるようにしなくてよかったんだ。

調べてみると、これらの職業は全て発達障がいの人には向いていませんでした。

会社で、私は手作り品作り、農家の方の手伝いなどを経験しました。
黙々と手芸をしたり、野菜の収穫をしたりするのは私に合っていたようで、仕事が楽しくなってきました。

本当に私に向いていた仕事をできる現在

やがて私は
「1日中、物作りのことを考えていていればいい、そんな環境で働きたい!」
と思うようになり、1年前に今の職場に転職しました。
そこは印刷業で、私はTシャツ、ハンカチ、タオルなどの印刷をしています。
また障がい者雇用で、職員の方も利用者の方も優しいです。

今は、本当に物作りが中心なので本当に楽しいです。

職員の方からも、「黙々と印刷業務ができてすごい」と褒められました。
一度スイッチが入ると、集中できるのは私の長所です。
私もそうですが、発達障がいの人によくある「過集中」(集中しすぎなくらいに集中すること)をうまく使えば、物を作り続ける仕事で十分に活かせます。

仕事も、プライベートでの布小物作りも楽しいです。

昔の私へ。
無理ばかりさせて、本当にごめんなさい。
あなたは、無理して苦手なことをしなくていいんだよ。
ちゃんと、自分に向いていること、好きなことができるようになるんだよ。
障がいを受け入れて、自分の得意なこと、苦手なことを知ると、生きるのがこんなに楽になったよ!

私は今が、一番幸せです!